木質系発電の現状と問題点

山田清市 (エヒメ合板工業株式会社)

鶴居産業は昭和42年設立され多くの関連会社を持っている.製材をしている鶴居産業は原木を月1万6000立米位消費するので,バークがたくさん出て,その処理に月300万円から400万円かかっていた.一方,電気代を当時エヒメ合板は月840万円位,鶴居産業は360万円位払っていた.

エネルギー財団の指導と支援をうけて発電をしようということになり,23トンボイラーを設置することにした.11.4トンを発電用,11.6トンを乾燥用に用いる設計にした.発電は1650kWhで届けた.燃焼効率を上げるために,タクマのボイラーを採用した.完全燃焼だから灰が少ない.130トンから150トンを燃やしているが,灰は0.8\%位である.燃料としては,チッパーで裁断したものを48トン/日,鶴居産業のバークとプレンナーくず87トン/日,不足分は近隣から持ってくる.いつも予備として燃料を200トン持っている.廃材は有料で処理しているのですぐ集まる.発電乾燥には8トン使って,その80%を回収している.冷却用に450トンの地下水を使っている.最近塩分が混じるので近くに新しく井戸を掘る予定である.

発電機は2000kWhのものを使っている.電圧は660V.鶴居産業の工場が自動化されて電気を多く必要とするようになったため,最近買電が増え,その分が254万3000kWhある.発電量が887万4000kWhあるので,発電が77.5%,買電が22.5%ということになる.

買電の中身についてだが,基本契約が1000kWh,これはデマンド管理をやって片方の工場を止めればだいたい1000kWhでいけるということだ.予備電力契約が750kWh,これは発電器が故障した場合に故障がなおるまで電力を供給してもらうためのものである.合計1750kWhの金額が,高くて年5160万円位になる.

発電所の経費についてだが,1級ボイラー士が3名,2級ボイラー士が1名の4名が2交代,昼2名,夜2名で運転している.人件費が1.91円/kWh, 燃料費が440万,消耗品1200万円,修繕費3500万,合計9720万円程度かかる.電力料金とあわせて1億7千万円かかっている.この中で発電経費を分類すると1億1000万円位で,電気代が9円69銭位になる.買電の電気代は,四国電力の場合やや高くて17円強だから,電気代はかなり安くついている.

問題点についてお話ししたい.現在1番の問題点は冷却水に塩分が混じり出したというので,新しく井戸を掘ることにしたが,これが3000万円位かかるだろうと思っている.ボイラーの維持管理費がややかかる.燃料形態を安定させる必要がある.休み明けの圧力の回復は私たちのところのボイラーではよいのだが,一般的にいえばこれも問題の一つかもしれない.